秋の宝石「ぎんなん」
拾い方から食べ方まで完全ガイド
黄金色のイチョウ並木が美しい季節。足元に転がる「ぎんなん」は、独特の風味と食感がたまらない秋の味覚です。 でも「臭いが…」「殻むきが…」と、ちょっとハードルが高いと感じていませんか? このページで、ぎんなんの全てをマスターしましょう!
ぎんなんの正体を知る!秋の味覚「ぎんなん」、
こんな疑問ありませんか?
- 道端に落ちてるけど、あの強烈な臭いはどうにかならない?
- 素手で触るとかぶれるって本当?安全な拾い方は?
- 硬い殻を簡単にむく方法が知りたい!
- 食べ過ぎると中毒になるって聞いたけど、何個までなら大丈夫?
- シンプルで美味しい食べ方を教えて!
恐竜時代から生き抜いた
「生きた化石」の種
私たちが食べている「ぎんなん」は、イチョウの木の実…ではなく、「種子」です。そしてイチョウは、恐竜がいた中生代から姿を変えずに生き続けている、非常に古い歴史を持つ植物。「生きた化石」とも呼ばれています。

イチョウ(銀杏、公孫樹)
扇形の愛らしい葉を持つイチョウ(学名: Ginkgo biloba)は、世界で最も古い現生樹種の一つ。かつては世界中に繁茂していましたが、氷河期にそのほとんどが絶滅。奇跡的に中国の一部で生き残り、そこから世界中へ再び広まりました。
名前の由来は?
「イチョウ」という読みは、葉の形がアヒルの足(鴨脚)に似ていることから、中国語の「ヤーチャオ」が転じたという説や、「銀杏」の中国語読み「ギンキョウ」が転じたという説があります。一方、「ぎんなん」は「銀杏」の唐時代の発音「ギンアン」が変化したものとされています。
どこで会える?
ぎんなん拾いの鉄則
ぎんなんが見つかる場所
イチョウは日本の風景に溶け込んでおり、意外と身近な場所で見つけることができます。お散歩がてら探してみましょう!
神社・お寺
境内に御神木として植えられていることが多く、大木になっていることもしばしば。特に天満宮などで見かけます。
公園
大きな公園では、イチョウ並木や広場に植えられています。管理されている場所なので比較的安全に拾えます。
街路樹
都市部の道路沿いに並木として植えられています。交通量に注意が必要ですが、手軽に見つけられます。
ぎんなん拾いは秋の楽しいイベントですが、いくつか重要なポイントがあります。しっかり準備して、安全に楽しみましょう!
【必須】準備するもの
あの独特な臭いと、皮膚のかぶれを防ぐために、以下のアイテムは必須です。
- ゴム手袋(推奨):かぶれる可能性に備えましょう。
- ジップロック等の厚手の袋:臭いをシャットアウト!
- 汚れてもいい靴:果肉を潰すのに使います。
【実践】臭わせない採取法

ポイントは、臭いの元であるオレンジ色の果肉をその場で取り除くこと!
- 靴でぎんなんを優しく踏み、果肉を潰す。
- コロコロと転がし、種(ぎんなん)だけを取り出す。
- 種だけを袋に入れて持ち帰る。
かぶれる可能性に注意
「ぎんなんの果肉に触るとかぶれる」とよく言われますが、これは人によります。(ちなみに私は素手で触っても大丈夫でした!)
ただ、漆(うるし)のようにアレルギー成分でひどい皮膚炎を起こす人もいるのは事実です。
安全のためゴム手袋の着用をおすすめしますが、素手で触る場合は自己責任でお願いします。
簡単・美味しい!
ぎんなんの食べ方&殻むき術
下処理&保存方法
持ち帰ったぎんなんは、流水で果肉のかすをきれいに洗い流します。その後、(すぐに食べない場合は)新聞紙などの上に広げて天日干しで乾燥させましょう。保存は、紙袋などに入れて冷蔵庫の野菜室へ。

一番簡単!殻のむき方
【裏ワザ】封筒でレンジ加熱
一番手軽で安全な方法です。
- 食べたい量のぎんなんを紙封筒に入れる。
- 封筒の口を2〜3回折り曲げる。
- 電子レンジ(500W)で40秒〜1分加熱。
- 「パンッ!」と弾ける音がし始めたら完成!

【香ばしい】フライパンで乾煎り
香ばしさを楽しみたいならこちら。
- フライパンにぎんなんを入れ、弱火にかける。
- 蓋をして、フライパンを揺すりながら加熱。
- 数分して殻にヒビが入ったり、弾け始めたらOK。
- キャンプ場であれば クッカーがおすすめだよ!!
茶碗蒸しに入れるだけじゃない!主役級ぎんなんレシピ
料理の脇役と思われがちですが、ぎんなんは主役級の美味しさを秘めています。シンプルながらも素材の味が光る、絶品レシピをご紹介します!

煎りぎんなん(塩炒り)
定番中の定番!殻をむいたぎんなんをフライパンで軽く炒り、塩を振るだけ。もっちりとした食感とほろ苦さが最高のおつまみになります。
ぎんなんご飯
秋を感じる炊き込みご飯。研いだお米に、殻をむいたぎんなん、酒、塩(または白だし)を加えて炊くだけ。翡翠色が美しく、食卓が華やぎます。
ぎんなん串
殻をむいたぎんなんを竹串に刺し、魚焼きグリルやフライパンで焼き色がつくまで焼きます。塩を振って、熱々をどうぞ!
【最重要】食べ過ぎは危険!
ぎんなん中毒に注意
中毒の症状とは?
ぎんなんに含まれる「メチルピリドキシン」という成分が、ビタミンB6の働きを妨げ、嘔吐・けいれんなどの中毒症状を引き起こすことがあります。最悪の場合、死に至るケースも報告されています。
一日に食べる目安量
中毒のリスクは個人差が大きいですが、安全に楽しむための目安量を守りましょう。
子ども:5粒以内
大 人:10粒程度まで
特に体の小さいお子さんには、少量でも症状が出やすいため、与える際には細心の注意が必要です。
ルールを守って、秋の味覚を楽しもう
独特の風味と食感が魅力のぎんなん。
採取する時の「かぶれ対策」と、食べる時の「量」という2つのルールさえ守れば、最高の秋の恵みです。
このガイドを参考に、美味しく安全に、ぎんなんを味わってみてください。