その小さなイモ、なに?
「むかご」を120%楽しむ完全ガイド
秋の訪れを告げる、ほくほく美味しい「むかご」。
でも、その正体や美味しい食べ方、知っていますか?
このページでは、選び方から絶品レシピまで、むかごの全てを徹底解説します!
秋の味覚「むかご」、
こんな疑問ありませんか?
- 人からもらったけど、これってどうやって食べるの…?
- そもそも「むかご」って何の実?種?イモ?
- 皮はむくの?下処理って必要なのかな…?
- どうやって保存すればいいか分からない。
- 美味しい食べ方やレシピが知りたい!
実でも種でもない!?
「むかご」の不思議な正体
むかご(零余子)とは、山芋(ヤマイモ)や自然薯(ジネンジョ)の葉の付け根にできる、球状の芽「球芽(きゅうが)」のこと。地面に落ちると、そこから新しい山芋として成長する、いわば「山芋の赤ちゃん」なんです。

ヤマイモ(山芋)
むかごの親であるヤマイモは、つる性の植物。葉は先の尖ったハート形をしています。夏には小さく地味な花を咲かせ、秋になるとこの葉の付け根にポコポコと「むかご」ができます。

小さな粒に栄養がギュッ!
むかごは、親である自然薯と比べても栄養満点!特に注目したいのが、豊富なカリウムと食物繊維です。
😋 むかご | 🍠 自然薯 | |
---|---|---|
熱量 | 87 kcal | 118 kcal |
食物繊維 | 4.2 g | 2.0 g |
カリウム | 570 mg | 550 mg |
出典: 日本食品標準成分表(八訂)
なんと、自然薯より低カロリーなのに、食物繊維は2倍以上!むくみ解消に役立つカリウムもたっぷり。皮ごと食べられるので、栄養をまるごと摂取できるのが魅力です。
旬は秋!
むかごの旬は9月~11月。特に完熟する10月~11月頃が一番美味しいとされています。
【ココが違う!】
「むかご」と「本当の種」
「むかごが地面に落ちて芽を出すなら、種じゃないの?」と思われがちですが、植物学的には全くの別物。その違いを見てみましょう!
項目 | 😋 むかご (球芽) | 🌱 本当の種 (種子) |
---|---|---|
正体 | 葉の付け根にできる栄養の塊 (クローン) | 花が受粉してできる子孫 |
見た目 | 小さな球形 (イモのような形) | 薄い翼のついたプロペラ形 |
役割 | 地面に落ちて新しい個体になる | 風に乗って遠くに飛んでいく |
食べられる? | 食べられる (美味しい!) | 食べられない |
昔ながらの「ヘリコプター遊び」
ヤマイモの種は、乾燥するとプロペラのようになり、高いところから落とすとクルクル回りながら落ちてきます。昔の子供たちはこれを「ヘリコプター遊び」として楽しんでいたんですよ。

どこで会える?
むかごの見つけ方&採り方
ちょっとしたお酒のつまみや、こどものおやつにもなる「むかご」。
お散歩がてらに探してみませんか?特に山に面した公園やキャンプ場では生えている確率が高いので、最高の収穫チャンスかも!
基本スタイル:手で丁寧に収穫

むかごは熟すと、少し触っただけでポロリと簡単に落ちてしまいます。草むらに落ちると見つけにくいので、むかごの下にカゴや袋を構えながら採るのがおすすめです。
裏ワザ:傘で一網打尽!

高いところのむかごを効率よく採る裏ワザ!傘を逆さまに広げてむかごの下に置き、棒でツルを優しくトントン叩くと、パラパラと傘の中に落ちてきます。
服装に注意!
この方法だと虫も一緒に落ちてくることがあります。帽子・長袖・長ズボンを着用し、首にタオルを巻くなど、肌の露出を避けて安全に楽しみましょう。
どうやって食べる?
むかごの絶品レシピ集
下処理は超かんたん!
皮はむかずに食べられます!ボウルやザルに入れ、むかご同士をこすり合わせるようにゴシゴシと水洗いするだけでOK。土汚れをしっかり落としましょう。
※生でも食べられますが、加熱すると土臭さが抜けて本来の甘みとほくほく感を楽しめるので、まずは火を通すのが断然おすすめです!
まずはシンプルに!素材の味を楽しむ

むかごの塩茹で
一番シンプルで最高!塩を入れたお湯で5分ほど茹でるだけ。ほくほく食感と自然な甘みが引き立ち、お酒のおつまみにぴったりです。
火の通りをチェック!
大きめのむかごに爪楊枝をさしてみましょう!ジャガイモと同じで、スッと刺さればOKです。

むかごの素焼き
フライパンや魚焼きグリルで油を引かずに乾煎り。表面が少し焦げると香ばしさUP!塩を振って召し上がれ。

むかごご飯
秋の炊き込みご飯の定番!研いだお米に、洗ったむかご、酒、醤油(または白だし)を加えて炊くだけ。ほくほく感がたまりません。
ご飯がすすむ!おかず&おつまみ
バター醤油炒め
下茹でしたむかごをバターで炒め、仕上げに醤油をジュッ!バターのコクと香ばしさが食欲をそそります。ニンニクやベーコンを加えても◎。

甘辛煮(照り煮)
醤油、砂糖、みりんで甘辛く煮詰めます。味がしっかり染みて、ご飯のお供にも、お弁当のおかずにもぴったりです。
むかごの唐揚げ
水気を拭いたむかごに片栗粉をまぶして揚げるだけ。外はカリッと、中はほくほく!スナック感覚で手が止まらなくなります。
で、結局どんな味なの?

ひと言で言うと、「山芋をギュッと凝縮したような、素朴で滋味深い風味」です。
足して3で割った感じ!
【味】噛むほどに広がる優しい甘みと、山の幸らしいほのかな土の風味がアクセント。
【食感】最大の特徴は栗やじゃがいものような「ほくほく感」。そこに山芋由来のほんの少しの「ぬめり」が加わり、独特の食感を生み出しています。
【最終確認】
むかごを楽しむ鉄則3か条
鉄則① ゴシゴシ洗うだけ!
皮はむかずに食べるのが基本。ザルに入れて、むかご同士をこすり合わせるようにしっかり水洗いすればOK!
鉄則② まずはシンプルに!
初めて食べるなら、まずは「塩茹で」や「素焼き」で。むかご本来のほくほく感と自然な甘みを味わってみて。
鉄則③ 保存は冷蔵・冷凍で!
常温はNG!湿らせたキッチンペーパーで包み冷蔵庫へ。長期保存なら洗って水気を拭き取り冷凍保存がおすすめです。
秋ならではの、素朴な恵み
スーパーではあまり見かけないかもしれませんが、その素朴な美味しさは格別です。
お酒のつまみや、こどものおやつにも早変わりする「むかご」。
もし直売所や散歩の途中で見かける機会があれば、ぜひ手に取ってみてください。
このガイドを参考に、秋の味覚「むかご」を存分に楽しんでいただけたら嬉しいです。